一度言葉で財産分与を放棄したら請求できない?
早く離婚したいという気持ちがあって財産分与なんていらないって話をしてしまったけれど、やっぱり財産分与は必要・・・でも一度言葉に出してしまったら請求は無理?
離婚したいと決心すると、いち早く新しい生活を始めたいと思うものです。
そのために面倒なことはもういいから!財産分与もいらないなんて言葉にしてしまったという方も少なくないでしょう。
離婚協議中に債権債務に関して一切ない!ということをお互いが相互に確認し合った、また今度どんなことがあっても一切財産分与の請求なんてしない!と
明確に約束をしてしまった場合、つまり、「一度財産分与を放棄してしまった場合」請求権を取り戻すということはできません。
また、離婚してから財産分与を相手に請求するということもできます。
ただし、離婚の場合の財産請求権は時効があり、協議離婚の場合「離婚届が受理された日」、調停離婚の場合には「調停成立の日」、審判の場合には「審判確定の日」、
裁判の場合には「判決が確定した日」から『2年』以内であれば請求ができます。
ただ、離婚してから2年以内でも、一度離婚が成立してしまった以上、相手が簡単に財産分与を行うということは少ないでしょう。
離婚の際に財産分与を放棄したのに、今更何を言っていると思うのも無理はありません。
また、相手も離婚後の生活を始めていますので、離婚が決まっていても婚姻関係にある時点とは生活も大きく異なっているのです。
2年以内であっても、その財産について相手が処分してしまえば財産分与に関する請求を行っても、現実問題として財産が既にないのですから、できないに等しいということになります。
また応じてくれたとしても、一度はいらないって言ったんだし・・・と、財産分与金額を値切ってくるということも考えられます。
それでも、どうしても財産分与請求を行って財産分与をしてほしいという場合で、協議では無理となれば、家庭裁判所へ調停、また審判を申し込むことになります。
こうしたことを考慮すると、離婚前にどんなに顔を合わせたくない、話し合いなんてしたくないという相手でも、協議をしっかり行い、財産分与について深く考え話し合い、
協議書に残すなり審判で結審してもらうなりしておくほうがいいということがわかりますね。